発達に遅れのある子が同じクラスにいる事。親としてどう伝える?我が子が発達に遅れのある子と関わる時。
発達に何らかの問題がある子はクラスの三割
発達に遅れのある子、身体機能に補助が必要な子、家庭に問題があって心身の発達に問題を抱えている子。
現在、小学校の通常学級に所属する子どもの中で、何らかの問題を抱えている子どもは三割だと言われています。
今は「落ち着きがない」「元気な子」には診断名が付いてしまう時代です。
その分配慮すべき子どもが身近な存在になりました。
保育園では一定の障害児を受け入れる枠がありますし、幼稚園でも加配教員を付けて引き受ける場合もあります。
そこで我が子に「伝え方が難しい」と悩む保護者の方はとても多いようです。
「誰とでも仲良く出来る子になってほしい」と我が子に願う親御さんもデリケートな問題に躊躇してしまうそうです。
実際はどのように伝えることが望ましいのでしょうか。
子どもにとっては特別なことではありません
クラスに自閉傾向のある子どもがいても実は大きな問題ではありません。
その子はじっとしていることが難しく、また感覚鈍麻もあるため大きな音で机を叩いたり足を踏み鳴らすこともありました。
保育者に絵本を読んでもらっている時も、お話を聞いている時も関係ありません。
大きな声を上げ、保育室を飛び出していくこともあります。
クラスにいる子どもたちは、突然の大きな音や飛び出していく姿に驚いていたようです。
その子のお母さんもそのことをとても心配してくれていました。
ですが当の子どもたちは最初はともかく、いちいち反応することはなくなりました。
驚くことに一度も文句はおろか嫌な顔もしたことはありません。
それどころか「一緒に座ろう」「隣においで」と誘ってくれたり欠席の時などは「早く良くなるといいね」と心配してくれるほどです。
子どもたちにとってその子は特別な子ではなく当たり前にクラスメイトなのです。
出来ることもあれば出来ないこともあり、苦手なことも得意なこともあっていい。
「お絵かきが得意な子」「好き嫌いの多い子」「元気いっぱいの子」「よく笑う子」のように特別ではなく個性のひとつと子どもは自然に捉えているのです。
そこには身近な大人の価値観と子どもの純粋さがあるのです。
保護者の理解が重要なカギ
子どもは身近な大人から様々な価値観を学びます。
「お母さんがやって良いって言ってた」「先生が駄目っていたよ」
このような善悪の判断や社会的なルールなどを身に付けていきます。
クラスに障害を持つ子どもがいた場合、クラスの保護者としては現実にきれいごとだけでは済みません。
「あの子がいるからリレーに勝てない」と考える方もいます。
もしくは「障害名も明かしてみんなの前で理解を得てほしい」という声も実際ありました。
気持ちはわかりますが子どもを育てる親としては「とても残念な価値観」としか言いようがありません。
保護者もマイナス面を見るのではなく、我が子にとってプラスの経験が出来ていると信じてほしいですね。
特別支援教育は特別?
発達障害が世間的に認知され理解のある方が増えてきましたが、それと同時に弊害も出てきました。
落ち着きのない子がいると「相談に行った方がいいんじゃない」「それって障害じゃない」と言ってしまいトラブルになるケースが増えています。
私立の幼稚園では加配が必要なお子さんは入園を断るケースも多いため、関わる機会のなかったお子さんも多いようです。
そのため、小学校に行ってから戸惑い、特別視してしまう子も多いようです。
誰もが自分らしく生きられる社会を目指すインクルーシブ教育が定着してきました。
特別支援教育は障害を持つ子どものためだけではなくなりつつあります。
どんな人とも「共生」=ともに生きることなのです。
まずは特別だと思っている心から変えてみませんか?
読んでいただきありがとうございました。