先生たちの本音。集団生活に入る前にできた方が良い事と一番大切な事とは?
集団生活に向けて・・・
幼稚園や保育園への入園が決まってひと安心・・・。
でも「トイレは出来ますか?」「着替えはひとりで出来ますか?」
集団に入るということは課題もできるということ・・・。
「ご飯座って食べられるようになるかな・・・」「トイレに行けるようになるかな・・・」
4月までのタイムリミットが現実味を帯びて焦る気持ちが生まれる保護者の方も多いようです。
初めて我が子が手を離れ、自分の力だけで集団生活に入るのですから心配されるのも当然です。
実際に集団生活に入る前にはどんなことが出来ていると良いか、どんな準備をするべきなのでしょうか?
身の回りのこと出来ていますか
入園前の準備の基本は「身の回りのことはひとりで出来るようにする」です。
これは先生側としては大変有り難いのです。
何故なら十数名の子どもたちがお母さんから離れて幼稚園にやってきます。
泣いてくる子、部屋に入らず遊びに行ってしまう子、「できない。やって」しか言わない子。
ひとり二人なら対応できますが、これがほぼ全員となると話は変わります。
しかも次から次へと試練はやってきます。
朝の支度が終わったと思ったらお昼の時間。
自分のご飯は後回しで食べ歩く子を制止しながら食べない子を励まし、時には口に入れてやり・・・。
そうこうしている内に食べ終わった子は片付けもせずに遊び始め、それを止めさせて何とか片付けを手伝いながら素早く食べこぼしを拾う!
(食べこぼしを踏んで歩く子がいるので、降園後に掃除をしようと思うと摺りつぶされて広がったご飯粒は取れないのです・・・)
気が付くと降園時刻が迫り、慌てて支度の声掛けをするも「できない。やって」が目の前にわんさといる。
結局はひとりで十数名分の支度をしてあげるのです。
保育者はプロとは言え、入園直後の慌ただしさは想像以上です。
慌ただしさからくる連絡ミス、時には事故に繋がることもあります。
それ故に身の回りのことは「幼稚園で覚える」のではなく「身に付けていてほしい事なのです」
「できない」が口癖になっていませんか
「出来ない。やって」とすぐに言ってくる子がいます。
でも決して出来ないのではなく「やりたくない」のです。。
本来4歳前後の子どもは好奇心が旺盛で自己万能感が強く、明らかに無理な事でも「できる!やってみたい!」と思うものです。
それなのに何故「出来ない」とあきらめてしまうのでしょうか。
それは「出来ないことを認めたくない」気持ちの表れの場合と「できないと思い込んでいる」場合があります。
どちらの場合も「経験不足」から来るものなのです。
出来ないことを認めたくなかった
家では自分でやらなくともお母さんが全て着替えさせてくれる。
そんな家庭の子どもでも幼稚園では急に「自分でやりなさい」と言われます。
さっきまで一緒に遊んでいたお友だちが制服のボタンを一人で留めたり、着替えをテキパキ行なっています。
実はこの時子どもながらに焦りがあるのです。
対等だと思っていた子が自分より何でもできると分かった途端、自分が出来ないことに気がついてしまうのです。
しっかり周りが見えている子ほど、現実が見えると自信を無くしてしまいます。
出来ないと思い込んでいる
おそらく殆んどの人が自転車に乗れない子に急に乗ってみなさいとは言いません。
自転車に乗れるようになるためには補助輪を付けたり手を添えたりします。
どんなことにも「その技能を身に付けるための準備」が必要なのです。
ボタンの練習に大きな留めやすそうなものを選ぶ、手を添えながら教える、子どもがほんの少しだけ頑張ればできそうな所まで支援してあげる事で「自分でも出来るかもしれない」という安心感が生まれます。
「ここまでお手伝いするから自分でやってみる?」と持ちかけてあげて下さい。
少しずつ「できない」が無くなります。
1番必要なことは・・・
もちろん身の回りの事が出来ていることは良いことですが、出来る出来ないに囚われない事が大切です。
子どもに1番必要なのは「意欲」です。
「できない」と言う言葉が繰り返し出てしまう子は「意欲」に欠けています。
「自分はどうせできない」からやりたくないと諦めてしまうのです。
意欲のある子はたとえ出来なくても諦めず何度も挑戦します。
どんなことでも失敗してもいいからやってみたいと思えるのです。
それは失敗してもいつかは出来るようになることを経験して分かっているからなのです。
出来なかった結果だけを評価せず「それでいいよ。大丈夫だよ。ここまで頑張れたね」と子どもの今の姿を認めていることで今の自分に自信が持てるのです。
読んでいただきありがとうございました。