三年保育?二年保育?幼稚園に入園するのはどっちが良い?幼稚園と家庭のそれぞれの事情。

昔は二年保育が主流

今から50年ほど遡り、幼児教育の大切さが世の中に浸透する以前は、二年保育を選択する保護者が圧倒的に多い時代でした。
専業主婦の方も多く「幼児にお金をかけるのも勿体ない」という倹約の精神と、近所に同年代の子どもがたくさんいた事も今とは大きな違いです。
少しづつ三年保育を希望する保護者が増え、30年ほど前には、ほぼ同数となりました。
それからは三年保育が大多数派、二年保育を希望する方が少数派で現在を迎えています。
それどころか保護者の共稼ぎ率が上がり、幼児教育の無償化も追い打ちをかけ、近年では四年保育の割合も増えてきました。
近い将来、四年保育が多数派になる可能性は否定できません。
このように早めの集団生活を、必要と感じている保護者の方が多いことがうかがえます。

教育課程からわかること

三年保育は年少児からの入園、四年保育は満三歳児(満三歳の誕生日を迎えた日)からの入園となります。
幼稚園には発達に合わせた「教育の目標(ねらい)」があり、それを達成するために保育内容を組み立てます。
例えば「集団のルールに気づく」というねらいがあれば、保育内容に「鬼ごっこなどルールのある遊び」を取り入れます。
鬼ごっこはルールを守るから楽しいと気づくことで「ルールを守ること」の大切さが達成されたと言えます。
園独自の年齢別の教育課程がありますが発達段階から言って年少児と満三歳児の一年間の主な「ねらい」は「先生やお友だちと楽しく過ごす」ことです。
中にはお受験に特化した幼稚園や、課外教室等の特色がある幼稚園など特殊な幼稚園もあるので一概には言えません。
ですが一般的には「早く入園すれば何か特別出来るようになる」ではなく「お友だちと楽しく過ごす時間が増える」という捉え方で良いかと思います。

子どもたちの姿

このように保育年数が多様化している幼稚園ですが、子どもにとっては実際どのような影響があるのでしょうか。
新入園児だけでひとクラスが構成されるような幼稚園も中にはあったりしますが、進級した子と新入児が同じクラスになることが一般的です。
二年保育で入園した子は、最初の1~2ヶ月間、集団生活に慣れることで精一杯です。
もちろん入園前に、幼稚園のプレスクールに入っていた子は、もう少し早く慣れると思います。
その間、慣れている三年保育の子は、今までの見知ったお友だちと遊んだり、新入生のお世話を嬉々としてやってくれます。
幼稚園に入園する前に自分の身の回りのことが大体できる子は、余裕があるためすぐに周りの子に合わせられます。
自分の身の回りのことが出来ない、もしくは意欲が無い子は追いつくまでに時間を要します。
中にはひと通りの事は出来るけれど自分のルールが強すぎて合わせられないパターンもあります。
三年保育で入園する場合、周りの子も全てがマイルールなので保育の内容もそれに合わせて組み立てられています。
ですが二年保育のスタートは少し違い、ルールが整っている子の中にマイルールの子が入ってくるのです。
三年保育の子どもたちは軽いカルチャーショックを受けます(笑)
「あの子朝の歌が始まっているのに、お外に行っちゃた・・・」と自分の事のようにドキドキしてしまう子。
一年前に自分がそうだったことも忘れて「いけないんだよ」と注意をする子。
もちろん大人はそれなりに工夫をして保育をしますが、子どもにとっては二年保育の子は「異邦人」です。
とは言え「面白いね~」と個性として受け入れられるか「異邦人」かは幼稚園の雰囲気と保育方針に掛かってくると思います。

家庭での環境次第

三歳児はお友だちの影響を受けたり、お友だちと遊びや衝突を経験して育つ時期です。
そのため、どんな手ごわい「わんぱくっ子」でも三年保育の子は一年でとても頼もしく成長します。
一年で生活習慣や最低限の社会性を身に付けたり、友だちと多様な遊びを経験します。
つまり二年保育の子は、各ご家庭で生活習慣と集団で困らない程度の社会性が身に付いていればスムーズということです。
逆に「マイルールが強い」「引っ込み思案で・・・」のように集団生活においての困難さが見える子は、三年保育で慣れることも良いかと思います。
もちろん分離不安が強いなど何らかの問題がある場合は無理をせず、子どもとお母さんが安定してからの入園をお勧めします。
お母さんの安定が子どもの発達に大きく影響します。
各ご家庭のベストな時期と、幼稚園選びで子育てがより豊かになることを応援いたします。

読んでいただきありがとうございました。

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