甘えさせている?甘やかしている?その違いとは?
甘えさせているのか、甘やかしているのか
「愛情豊かに・・・」「愛情をたっぷりと・・・」子育てをしていると各方面から聞こえる「愛情」というキーワード。
言葉通り我が子に愛情をかけて育てていると、他人から「甘やかしている」なんて指摘されることも・・・。
かと言って厳しく育てようとすると「かわいそう」の声・・・。
甘えさせているのか、甘やかしているのか・・・その差はどこにあるのでしょうか。
それは甘えが必要な時期であるか。
また「その甘えは子どもの育ち」に必要な事か、そうでないかによって分かれるのです。
愛着形成に大切な時期
3歳頃までに母親をはじめ家族にしっかり甘えることで子どもは人と愛着を形成することが出来ます。
愛されて育った子は感情表現も豊かです。
「泣きたい」時に泣けて「笑いたい」時には思い切り笑い、もちろん「怒りたい」時も表現します。
「これやってみたい」と子どもらしい好奇心と自分は出来るという自信に溢れています。
自分を受け入れてくれる存在があることで自信を持って自己表現が出来るようになるのです。
愛着の形成が上手くなされていないと自分に自信が持てず、不安から表情が乏しかったり、表現も出てきません。
中には知らない大人にも必要以上に甘えようとしたり逆に攻撃的になったりと、人との関わりが上手ではない子もいます。
愛情表現に欠かせないのはスキンシップと「愛していること、大切であること」を伝えることです。
肌と肌の密着は安心感の他にセロトニンという幸せホルモンの分泌を促します。
実はスキンシップは大人にも有効で子どもを抱きしめることで、母性を促すことが知られています。
「愛情」をたっぷり注いで、自分にも他人にも思いやりの心を持てる人になるといいですね。
必要な甘えと我慢が必要な甘え
目の前の「甘え」に応えることは子どもの成長に必要かどうか・・・これがポイントです。
「これ買って~」「買わないお約束したでしょう」「やだ~」
これで約束を反故して買ってしまうのは・・・もちろん「甘やかし」ですね。
折れて買ってしまうことで子どもの我慢に対する耐性が育たなくなります。
我慢による適度なストレスは耐性を付けるために必要です。
約束を守れたことの頑張りを認めてあげることで「約束を守ってよかった」と子どもが思えることが躾です。
では「もうスイミング辞めたい」など習い事を辞めたいと言ってきたらどうでしょうか。
「ここで止めさせるのは甘えなのか」「今辞めたら勿体ない」いろいろ思ってしまいますね。
子どもなりに実力の限界を感じているのか、友だちや先生と上手くいっていないのか、ただ単に遊びたいのか・・・。
理由とタイミングをしっかりと見極めて対処することで必要な甘えか甘やかしなのかが変わります。
もしも実力に限界を感じているなら、すぐに辞めるのではなく「今の級に合格したら」「今月だけ頑張ってみよう」と区切りを一緒に決めます。
「自分が出来なかったから辞めた」という「困難から逃げた」思いで終えるより「決めたところまでは頑張った」と思えることで自尊感情も守られます。
もしも友だちや先生と上手くいっていないなど人間関係が原因ならば、少し距離を置くのも有効です。
人はどんなに大きくなって強くなっても休息や息抜きなどの「甘え」は必要です。
「学校に行きたくないと言うようになってしまったらどうしよう・・・」そんな心配は親ならもちろんです。
親が一番の理解者であり味方になってくれる心強さは、今後子どもの支えになります。
ただ単に甘やかすのではなく「どうしたらいいか」を一緒に考え、共に困難に立ち向かおうとしていることが伝われば、子どもなりに頑張ろうとします。
大切なのは本当に辛い事があった時に、辛いということを他人に話せる人になるということなのです。
「ひきこもり」が年代を問わず社会問題になっています。
会社に退職が言い出せずに、業者に頼んだり、逃げ出したりするような人が増えている世の中です。
この「上手に甘えられる人」は人生に困難があっても生き抜くことが出来ます。
親として我が子を上手に甘えさせてあげたいですね。
読んでいただきありがとうございました。