非認知能力って何?学力ではない「資質の能力」。幼児期に伸ばしてあげたい非認知能力の育て方。

非認知能力ってどんな能力?

この頃よく聞く「非認知能力」これはIQで測れる学力などを指す「認知的能力」の反対です。
人と関わる力や挑戦する力、情動を押さえる力など、どちらかというと「生きる力」や「人間力」のように人生を前向きに生きるための能力です。
大学受験が「学力」である「認知能力」よりも「知力を活かす力」である「非認知能力」を重視するようになってきました。
知識ばかりあっても、実際にそれを活かすことが出来ない若者が増えていることが、背景にあるようです。
計算問題は得意だけれど応用問題は苦手、つまりヒントを活用して答えを導き出すことが出来ないので応用問題が難しく感じるのです。
これらは受験戦争を勝ち抜くために「学力重視」としてきた結果なのです。
「非認知能力」とは精神的な健全さや幸福感が高まる「内面的な資質」です。
「非認知能力」の高い子は「一を聞いて十を知る」のように自分の知識を工夫して使うことで正しい答えを導き出せます。
失敗しても諦めず、自分を信じて前向きに取り組めます。
高い自尊心があるため、困難があっても投げ出さず、自分の気持ちをコントロールすることが出来ます。
柔軟な心で周りの人たちと助け合い、協力し合うことで望ましい関係を築きます。
豊かな人生を歩むために必要な能力だと言えますね。

いつ頃伸びていく能力?

「非認知能力」を伸ばすのには1歳から3歳までの乳幼児期が重要だと言われています。
この時期にしっかりと愛情を受け、大人との愛着が形成されていることで情緒が安定するためです。
この安定した情緒と愛情の基盤があれば、子どもは自分の力で挑戦しようとします。
幼稚園などの集団生活に自信を持って飛び込む力となっているのです。
各家庭で育ってきた子どもたちは3歳頃、幼稚園に入園します。
実は、その時すでに大きな差となっていると感じることがあります。
安定した情緒の子は、好奇心と自信に溢れ自分の力で園生活を楽しむことが出来ます。
反対に不安が拭えず泣いてばかりの子や、失敗を恐れ物事に消極的な子などは自分の力で園生活を楽しむまでに時間が掛かります。
そして残念なことに、多くの場合その差は縮まることなく卒園を迎えます。
つまり持って生まれた気質以上に育て方が重要だということです。

さらに伸ばすために必要な環境とは?

「非認知能力」を伸ばすためには幼児期の集団生活の質も大きく関わります。
何故なら「非認知能力」は集団の中で沢山「遊ぶ」ことで育つ力だからです。
子どもは遊びの中で学習します。
ブロックで何かを作っていても最初は単純な形が精一杯ですね。
でも、いつの間にか複雑なものが組み立てられるようになっています。
ひとりで何かを作って遊んでいる時には「どうしたらかっこよく作れるか」などこだわりを持って工夫しています。
数人でひとつの物を作る時にはお互いの経験を持ち寄り、対話を繰り返して作ります。
「この前こうやったら上手くいったよ」など他人の経験も取り入れることで学びの幅が広がります。
また、対話を重ねることで相手の考えと自分の考えをすり合わせようとします。
これは「対話的な深い学び」であり「非認知能力」を伸ばすのに最も必要な経験となります。
人と協力して作り上げたり、遊びを成立させることは、実はとてもいい経験なのです。
「自分はこれが苦手だけど、この子はこれが得意」と認め合ったり「一緒に遊びたいから我慢する」こともできるようになります。
大人にとってはただ遊んでいるようですが、子どもにとっては学びの宝庫なのです。

幼児期には何かを教わる環境より自分で考える時間が大切です。
遊びの中の学びをしっかり保障してあげたいですね。

読んでいただきありがとうございました。

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