離れられない子ども。離れられない保護者。言ってはいけない言葉とは・・・?

それ言ってほしくなかったな・・・。保育者の立場から。

朝、笑顔で子どもが笑顔で登園してくれると保護者も保育者も当然、嬉しいですね。
子どもがお母さんから離れられなくて泣いている時には、保育者としては早くお母さんには見えないところに行ってほしい・・・
正直そう思います。でも実際はできない方も多いですね。
心得ているお母さんは泣いている子どもをさっと引き渡すと「楽しんでおいで~!」と素早く帰ってくれますね。
子どものシグナルに対して正確な解釈をし、迅速な対応ができる百点ママです。
それに対して、せっかく子どもががんばろうとしているのに、別れる寸前に「大丈夫?」と聞いてしまうお母さん。
子どもの自発的行動を阻害してしまう危険ママです。
子どもの表情を見ているこちらとしては「大丈夫?」は言ってほしくなかったですね。

「大丈夫?」がいけない理由

幼児期の子どもは心身の成長が著しく、それによって探索活動も積極的になります。
それに従い知的好奇心も高まり、自分の力で新しい世界に一歩踏み出そうとする意欲も育ちます。
この時期、家庭の役割は新しい世界でいろいろ経験してくる子どもたちへの共感、いたわりです。
それによって次の探索や挑戦への意欲となるのです。
過干渉な親の子どもは愛着状態が不安定になると言われています。
子どもたちはお母さんという安全な場所で保護されていたいと思う反面、自立して自分の力を試したいと思っています。
友だちという存在も大きく「負けたくない」と意識しながらも「やっぱり甘えたい」と揺れ動いています。
「辛いけどお母さんから離れなきゃいけない。どうしたら楽しい気持ちになれるかな・・・」と子どもなりに葛藤しています。
そこに危険ママの「大丈夫?」の一言です。
このタイミングの「大丈夫?」は子どもの身を案じているのではなく子どもの頑張ろうとしている意欲を疑う「大丈夫?」なのです。
つまり「(本当にできるの?あなたには無理なんじゃない?)大丈夫?」なのです。
ギリギリの子どもたちにはとても厳しいですね。

子どもの頑張りを後押しする言葉

百点ママは子どもの心理状態を敏感に察知しているのです。
そして「この子なら大丈夫」と信じてあげています。
お母さんに笑顔で「楽しんでおいで」と言ってもらえれば、子どもはすぐに気持ちを切り替えます。
子どもが自分の力を信じて踏み出そうとしていることを後押しするのは「あなたなら大丈夫」「きっとできるよ」という言葉なのです。

保育者としてできること

保護者が離れられないのは子どもに対しての信頼とは別に保育者にも信頼を求めているからです。
保育者は見守りの姿勢や友だちの力を借りてみようなど、手を変え品を変え工夫しています。
でも保護者は「うちの子が泣いているのに先生が来てくれない」と思いがすれ違う場合もあります。
子どものためにという目的は同じなのでしっかりと連携を図ることが近道となります。
保護者は自分の子育てを客観的に見ることが難しいものです。
親子の相互作用を理解して適切なアドバイスをしてあげたいですね。

読んでいただきありがとうございました。