子どもの育ちについて。年齢に応じた発達の課題とは。保護者会で伝えたい話。

学年別の課題をわかりやすく考えてみる

年少児の課題は自己表現に尽きるかなと思います。
自己表現を存分にすることによって子どもは自分の思いを表現しても良いことを学びます。
我慢をしていると何も言えない子になってしまいます。
思い切り自分の思いを表現する機会を得ている子は表現が豊かです。
辛い、悲しい、楽しい、嬉しい・・・そんな感情をたくさん経験して表現豊かな子どもに育ってほしい。
誰でもそう思いますね。
その中で他者の思いにも共感することができるようになります。
悲しみ、楽しさなどいろんな感情を知っているから他者の思いも共感することができる。
これが人として一番大切な基盤です。

年中児は他人とのかかわりの中で自分と対峙する時です。
自分は最強と思っていたけれど実はそうではないことに気が付く時期です。
何かにつけて「一番」という子が多いですよね。一番にこだわることで自分のプライドを保ってると言う訳です。
それは悪いことではなく、他者を認められるようになると徐々に薄れていきます。
自分のできないところにも気が付き、友だちの方が優れていることもあることにも気が付いてしまう。
気持ちはぐちゃぐちゃです。私が思うにとても難しい時期です。
この時期に集団での行動を経験することも大切です。
自分の気持ちだけが優先されるよりも我慢をしてもみんなで行動することも心地よいことに気が付きます。
例えばリレーや組体操的なことをすると自分一人が手を抜いてしまうと素晴らしいものができません。
けれど我慢して参加すると素晴らしいものができる。
そんな喜びを感じることで集団の中の自分という姿に気が付き、気持ちの調整ができるようになります。
そんな中で「自分もすごいけれど、あの子もすごい」と思える経験を積んでいければ十分です。

年長児は集団の中の自分を年中児より強く意識します。
遊びや話し合いの中で自分の意見と他人の意見を調整していくこともできます。
もちろんその機会を十分に与えてあげることが大切です。
複数人の話し合いでも論点がブレず相手の言いたいことのポイントをつかんで意見を調整するなど、高度なこともできるようになります。
それは年中児で他人のすごさに気が付き尊重する気持ちが芽生えたことによるものです。
また、年少児でに我慢ばかりしていたらここでも我慢をすることしか他人と関わる術がない子になっていたかもしれません。

このように発達は順を追って関連しているものです。
保護者の方には発達の順番や形態はわかりません。しっかりした子と自分の子を比べて心配する保護者が多いですね。
各ステージでの発達の課題をしっかりクリアしていくことで順調な人間性の基盤の形成となることを保護者にも伝えましょう。
今の子どもの姿を完成形と捉えず、発達の途中段階であることを理解していただければと思います。

読んでいただきありがとうございました。