挨拶は何故するの~挨拶ってこんなに意味があるんです~
「おはよう」が出てこない子どもたち
もじもじ・・・もしくは聞こえないふりって・・・(涙)
こちらが「おはよう!○○君!」と挨拶してもなかなか気持ちの良い挨拶が返ってこないと悲しくなりますね。
「挨拶は人間関係の基本」とばかりに保護者の方が力を入れている場合もありますが、隠れてしまう子も多いですよね。
どうしても挨拶させたくてムキになったり、怒ったりなんてしていたら一日のスタートが台無しですからグッと我慢してしまう先生も多いのではないでしょうか。ちなみに私は言うまでしつこく言い続け泣かせてしまったことがあります・・・。
お説教した後で「おはよう」を強制的に言わせても後味悪いだけですよね。それ以来は深刻にならないようにハグしながら(あくまで笑顔で)「おはようって言ってよ~。先生悲しいよ~」なんておチャラけています。
言いたくても言えない子
その昔、私のクラスに挨拶がなかなか返ってこない女の子がいました。
その子は少し場面緘黙の傾向が見られました。
友だち同士で遊んでいるときは大丈夫なのですが注目されると思うと体が硬くなって言葉が出てきません。
お当番活動などで決まったセリフは言えますが、インタビューなどアドリブには対応できません。
朝の「おはよう」も言えませんでした。その子はとても頑張り屋さんで、真面目な子だったので何とかならないか考えました。
決まりとしてなら頑張れるようだったので、いっそのことクラスの決まりとして子どもたちに提案しました。
「挨拶ってその人が生きているかどうか確かめるんだって」と子どもたちに言うと「え~?」と笑って反応してくれました。
「声を掛けたときに知らん顔して何も反応がないとあれ?生きているのかなって心配になるでしょ?だから生きてますよって意味で挨拶されたら挨拶して返すんだって。」と話してみました。「ふ~ん」と納得したようなイマイチ「?」な子もいました。でも「挨拶されたら挨拶を返すことで相手が安心したり、嬉しくなったりする」ことは重ねて伝えました。
クラスのルールは
・ 「おはよう」って言われたら「元気ですよ。ありがとう。」の意味で「おはよう」を返す。
・ クラスに入るときには「元気に来たよ」という意味で「おはよう」と言って入る。
と、決めました。
さて成果は・・・
次の日「おはよう」の声掛けに一瞬詰まったけど「おはよう」と頑張って答えてくれました。
保育室に入るときもきちんと覚えていてくれて「おはよう」と言っていました。
真っ赤な顔で本当に頑張っている様子でしたが、その声は徐々に大きく、自然になっていきました。
この先コミュニケーションスキルの基本として欠かせない挨拶。相手のためにできる子が増えてくれますように。
読んでいただきありがとうございました。