発達の不安について~遅れがちな子をどうサポートしていくのか~

遅れがちな子ども

「もしかして何かの障害かな・・・?」

沢山の子どもたちと接していると心配な子どもは必ずいます。
落ち着きがないなどわかりやすい症状の子もいれば、全体的に遅れている子もいます。
単純に経験不足からくる発達の遅れの子もいれば、発達障害を持ち合わせている子もいます。
保護者の方に伝えるべきか、これはデリケートな問題ですね。特に漠然と遅れを感じる、全体的に遅れているこの場合は、保護者の方にもどう伝えたらわかってもらえるのかと悩みますね。
特に私が難しさを感じたのは「軽度の精神発達遅滞」です。
特徴としてはIQおよそ50~70あたりで理解の遅さ、全体の指示が通りにくい、集団での話し合いではついていけない、状況を読み取ることが難しい、集中が続かないなどが挙げられます。
それはあくまで集団の中の姿であり、家庭で母親と一対一で見える姿ではないから保護者の方にわかっていただけないこともあります。
しかも軽度の精神発達遅滞が疑われている多くの子は小学校への就学時健診では引っ掛からず、通常学級で学習をしています。
きっとその子たちは、わからない不安やたくさんの不自由を感じているのでしょう。心が痛くなります。
発達の観点からいえば早めにその子に合ったケアをすることで遅れが取り戻せる子もいますし、その子自身が嫌な思いをするという二次的な障害を防ぐことができます。何よりも家庭との連携をとることでケアがしやすいことはもちろんです。
病院に行っても診断が出るかは、精神発達遅滞の程度によってというのもありますが、医師によって診断が保護者の意見に寄りがちなのも問題です。ということは保護者の方が子どもの将来をどのように支えていこうとしているのかが重要になってきます。
信じられませんが中には診断書を免罪符にして何の努力もしない保護者がいるということも聞いています。
私の知っている方は、子どもが自信がつけられるよう色々な習い事をして好きなことを見つけてあげていました。
苦手なことや課題は事前に家庭でも取り組んでもらい、カバーしてもらいました。それでも予測不能なこともありましたが得意な分野では自信たっぷりにしていました。「得意なこと・好きなこと」があることは強みですね。

保護者はできれば認めたくないかもしれません。でもこちらが心配していることは伝える必要はあると思います。
あくまで病院に行くのは保護者、診断をするのは医師ですし、診断のあるなしに関わらず、その子に合った保育を工夫するのが保育者の役割です。その上で、園でできること、家庭でお願いしたいことを確認してほしいと思います。

読んでいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。