保護者の相談ごとについて。聞き上手な先生になろう。
保護者の悩みは尽きません・・・
「うちの子は大丈夫ですか?」
一年を通して挨拶代わりにその言葉が付くくらいの保護者の方も多いかと思います。
決して神経質なのではなく、親というのは大多数が常に心配をしています。その心配は子どもによってもちろんいろいろな内容だと思います。仮に今は進学の時期なので、私も何人かの保護者の方からこの言葉を聞きました。「大丈夫ですよ」の一言が一番聞きたい言葉なのかもしれません。でも根拠のない「大丈夫」ではもちろん無責任です。不安に思っているには必ず根拠があります。まずはその不安をしっかり受け止めることが大切です。その子の家庭環境や成育歴なども加味して、その不安がどこから来ているのかを正しく理解してほしいと思います。その方がアドバイスも具体的になり、保護者の方も納得してくださると思います。
山びこ会話
「〇〇が心配なんです」「○○が心配なんですね」と山びこ会話をすることで「私の話を真剣に聞いてもらえている」という安心感が生まれます。会話をしているうちに保護者の方が本当に言いたいことがわかります。結局、最後の着地点は「自分の子育ては間違っていない」「自分の子はきちんとできている」「先生はわが子をしっかり理解してくれている」です。当たり前のことですが・・・。
悩みは複雑そうに見えて実はシンプルなことが多いのです。でも厄介なのは子育ては24時間ですから毎日悩みは更新されます。そして比べてはいけない、とわかっていてもできるできないの比較をしてしまうものです。
私たち保育者は、ある意味カウンセラーです。そんな思いでしっかり保護者を支えていっていただけたらと思います。
もちろん本当は発達に心配があるのに嘘やごまかしはいけません。でも私たちは医師ではありませんので診断なんかできません。また、何でもかんでも発達障害にしてしまうのもよろしくありません。もし他の子と同じようにできないことが心配だったら、まずは自分の保育を見直して、その子ができるように工夫をしてみてほしいです。その結果を保護者の方と共有して家庭でもできることを提案してみる。そのうえで、やはりケアが必要だと思えば、然るべき機関に相談が必要なのかを保護者の方に考えてもらうといいのかなと思います。
教育の専門家として大切な子育ての一端を担っていると言えば堅苦しいのですが、親の立場としては「ともに愛情をかけて一緒に子育てしている仲間」として関わっていただけると嬉しいなと個人的に思います。
読んでいただきありがとうございます。